浜防風から学んだ料理の本質
私が、専門学校の時、研修先で知った食材の一つ。それがは、防風、正確には浜防風でした。その時の料理は、「防風とトコブシ」の胡麻和え。防風は、まず、器に合わせたおおきさ、3〜4cmぐらいでしょうか?それを、下の白い部分と、葉の部分、そして、葉と白い軸の間の赤い部分に分けるのです。その後、その赤位部分は、包丁を使い、一本、一本丁寧に割いていくのです。何故かというと、この赤い部分は少し硬いからです。防風一つとっても、食べてへの思いやりと繊細さを知ることができました。
風邪を防ぐ、薬草だからの防風?中国、『神農本草経』に記された中医薬学と薬膳
中国の『神農本草経』中医薬学の基礎となった書物です。そこで紹介されている、植物薬252種のなかの1つに、効能と使用方法が紹介されています。
防風は、「治風通用の薬」として「風薬中の潤薬」とよばれ、「風邪を防ぐ」ことから「防風」といわれる説もあります。
浜防風は日本のもの?
日本に輸入されるのは「関防風」というものです。元々、防風は日本には生息しておらず、日本で「防風」というと、海岸に自生している「浜(ハマボウフウ)」をのことを言います。江戸時代になると、「浜防風」は「防風」の代用品として、解熱作用があり屠蘇散にも使われてきました。
懐石料理御造りのあしらい(飾り)に使う、赤軸の「防風」こそ、『神農本草経』にある防風なのです。
御造りと『いかり防風』
「碇(いかり)」は文字通り、船のいかりをさしています。防風の赤軸の部分を針や細い金串を使いさいて、氷水につけると、いかりのように先が、まるまっていきます。春時期のものですから、春の魚、めばるやサヨリのお作りにそえると良いです。
コメント