未分類

何故?土用の丑の日に鰻を食べるのか?

万葉集とうなぎ

“石麻呂に吾れもの申す夏痩せに
よしといふものぞむなぎとり召せ“ 《大伴家持》

奈良時代に成立した、日本でもっとも古い和歌集、万葉集。夏痩せ(夏バデ)にはむなぎ(ウナギ)を食べると良いと、石麻呂は和歌の中で読んでいる。昔から、体調を崩しやすい夏には、ウナギを食べてると、元気になり、暑い夏をのりきることが考えかたがあったのがわかります。

鰻の栄養

栄養学の研究が進み、ウナギには、ビタミンAやビタミンB群など、疲労回復や食欲増進に効果的な成分が多く含まれています。他にも、ビタミンB1やコラーゲン、をふくみ、美容効果も期待されています。

土用の丑の日

毎年、夏になると土用の丑の日には、鰻を食べる習慣があります。これは江戸時代から始まったもので、一説によると。とある鰻屋が、鰻が売れないことをなげき、「平賀源内」に相談したところ。源内が「本日、土用の丑の日」と書いた書をその鰻屋の主に渡し、店前に貼ったところ、その字の見事さと平賀源内先生のお墨付きならと、一気に客が押し寄せ、店が繁盛したというのが始まりです。平賀源内は、医者、学者、発明家としていられていました。今で言う、インフルエンサー的な存在だったわけです。当然のごとく、万葉集のことも知っていたのでしょ、江戸時代ですから、「陰陽五行説」の考え方もわかっていたのですから、そのことを踏まえのことだと思われます。

鰻は栄養があり、夏バデ防止になるという考えかたが前提におかれた。マーケティング、コンサルタントとしての平賀源内の一面を知ることができます。著名人や有名人のお墨付きで売れること(宣伝の戦略)。今で言う、インフルエンサーマーケティング。店先に張り紙をする看板、ポップ戦略。口コミ戦略が含まれています。この戦略が、各地の鰻屋に広がり、今も残る日本の食文化となっているのです。

炭火の力とけむり

うなぎを焼くのはやっぱり炭が一番。炭火は遠赤外線の力で、中までふっくら焼くことができます。ガスの場合はガスは炭素と水素の化合物でできているため、水分が出てしまい表面だけ焼ける感じでうまく焼くことができないのです。炭の中で、特に備長炭は、火もちも良く、火が上がりにくいため美味しくやくことができます。その焼くとにでるけむり。けむりは、うなぎの場合は、うなぎの脂とタレが炭に落ちてでるけむりです。そのため、このけむりをまとわせすぎないように、うちわで仰ぎ、同時に炭火の火力を均等にする役割があります。うなぎを焼くときにでるけむりには、香ばしいタレの香りが、お客を呼ぶ役目もあります。

蒲焼の由来

「蒲焼」の由来には諸説あります。その中のいくつを紹介させていただきます。その一つが、「蒲の穂」にしているというものです。蒲は別名、ミズクサともいいその、花粉は「蒲黄(ほおう)」とよばれ、薬用にされていました。田んぼになるもので、茶色い棒状の穂がつきます。

では、何故?これが、蒲焼の名の由来になったかというと、もともとは、丸のまま鰻を串にさし、タレをかけて焼いていたそうです。江戸時代の料理のことを書いた『大草家料理書』には、この、鰻の料理の様子が書かれています。

他にも、樺の木の皮にいているからという説もあります。そこには、蒲焼の字を「樺焼き」と書くこともあるからです。

鰻の白焼き

鰻重や鰻丼のように、蒲焼はご飯のお供には最高です。鰻のタレだけでご飯が何杯もいけると言う人もいるのではないでしょうか?対して、白焼きはとてもお酒に合う「酒の魚」です。おろし山葵に割り醤油で食べると酒が進みます。

土用の丑に『きゅうり加持』無病息災を願って、胡瓜と鰻の酢の物『鰻ざく』

きゅうり加持(かじ)は、きゅうり封じとも呼ばれます。鰻を食べる「土用の丑の日」この頃は暑く、きゅうりにあやかって、暑い夏を乗り切ろうとする祈祷儀式です。夏の食物の中で、水分が多く栄養価が高い「きゅうり」。疫病、厄難を封じ、無病息災に過ごすために、土用の丑の日ころの、中国、朝鮮、日本で祈祷が行われてきました。

空海が、キュウリに疫病を封じて病気平癒を祈願したことから、厄病除けの祈祷に「きうり加持」が行われるようになったそうです。

鰻の柳川

柳川の始まりは、江戸前の「どじょう」とささがき牛蒡を煮て、玉子でとじた料理です。どじょうも牛蒡も食べると生がつくことから、スタミナ食とされ江戸前料理の代表的なものになりました。どじょうのかわりに、鰻を使い柳川風にすることもあります。鰻は白焼きでも、蒲焼でもかまいません。白焼きのほうはあっさりと仕上がり、蒲焼の方は濃い味付けの方が合います

鰻の肝

鰻の肝は、主に肝吸いにして食べることが多いです。肝をゆで、三つ葉や、お麩、豆腐や湯葉などをいれお吸い物にします。

私が修行した店では、鰻を瓶詰めにし販売していました。その際に出てくるのが鰻の肝です。鰻肝は、余分な粘膜と血合、にが玉(たん脳)をとりのぞく必要があります。このにが玉をとりのぞくが大変で、気をつけないをつぶれてしまいます。しかも、潰れると中の緑色の汁が飛び散ります。私は、このにが玉をわってしまい、中の汁がとびちり、私と横にいた同期の白衣をダメにしたことがあります。

関連記事

この記事へのコメントはありません。