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鰹で勝てる男になる

高知とかつお

私は、高知が大好きです。その理由は、歴史が好きだからです。高知、土佐出身の坂本龍馬は「歴史上の人物で」時代を問わず、常に上位にいる人気ものです。私の頃は、司馬遼太郎の「龍馬がいく」ではなく、それに刺激感銘を受けた、金髪先生が武田哲也の書いた「おーい、龍馬」です。NHKのアニメでも放送されていましたから。そんなことで、坂本龍馬を知り、高知を知り、高校生の春休みを使って、一人、高知に旅行に行きました。目的は歴史探索と、もう中学生の時から料理人を志していましたから、高知の郷土料理を食べることでした。

端午の節句とかつお料理

結婚式の引出物に「鰹節」と「昆布」が使われてのは、ご存知でしょうか?鰹節の「かつお」は「勝男」または「勝雄」と当て字でかきます。勝負に勝つ、人生における、成功を願っているからです。5月5日の「端午の節句」は男の子の、お祝いの日です。また、この時期になると、カツオが旬を迎えることからかつお料理を食べる風習もあります。

江戸時代とかつお

江戸っ子は「初物」が大好き。カツオは傷みやすいため、当時は、地域の近海でとれたものだけしか味わうことが出来ませんでした。江戸の近海でとれるマグロの漁場は、千葉沖と相模湾。どちらも2日は届くのに時間がかかったそうです。それでも、値段は、到着の当日は1本4両(10~20万円)ととても高価です。しかし、2日目になると鮮度落ち、1割程度に暴落したそうです。何せ冷蔵庫たるものはない時代でしたから。庶民は、鮮度落ちのものを食べたので、食にあたったと言われています。

この様子を当時の川柳で、知ることができます。

「はずかしき 医者にかつおの 値が知れる」

みえをはり、初鰹を食べた事を自慢するも、かつおにあたって医者に行けば、医者には、鮮度落ちしたかつおを食べたことがバレてしまいます。

「初鰹妻に聞かせる値ではなし」

かつおの値段は、妻聞かれてはこまる、とても高価なものでしたから、へそくりをだして買ったのではないでしょう?

「意地づくで 女房 鰹を なめもせず」 初物のかつおの値段が高いということは、女房でも知っていること、女房からすれば、無駄遣いにも程がある、意地でも食べたいそんな思いが伝わってきます。なんか、今の時代なら、YouTubeで「1匹20万円のかつおを食べてみた」なんてユーチューバーさんがあげてそうですよね?

江戸時代の土佐藩では、カツオの刺身が禁止されていたことから、表面を藁(わら)で焼いた魚、カツオの刺身が食べられる習慣になりそこから、それがかつおの叩きの始まりとされています。

鰹の刺身

「鰹は刺身、刺身は鰹」といわれるように、かつおは生で食べるのが一番おいしいです。御造りにも三種類あります。なかでも、春の初夏の初鰹は「青葉鰹に桜鯛」や「夏は鰹に冬鮪」と呼ばれます。この時期のカツオはやはり、叩きにするのがおすすめです。秋の戻りカツオは脂が乗ってくるため、皮をとったものや、腹側の脂の乗った部分を皮付きのまま刺身にします。この場合、銀色の皮は硬いので、かくし包丁をいれます。この銀色の皮目から、「カツオの銀皮作り」と呼ばれています。

酒盗

酒盗の歴史はおよそ300年前、酒盗という名称は、これを酒のあてに、飲むと酒がすすんでしまい、「盗まれるように酒がなくなっていく」、「酒が無くなったら盗んででも飲みたくなる」ことから言われています。かつおの塩辛です。

かつお角煮

かつおは脂が少ないことから、一般的に煮魚のようにして食べることはありません。ただ、佃煮のようにして、味濃く煮て保存食にします。

生節

生のカツオをさばきいた後に、蒸す、茹でるなど加熱した後、燻製(焙煎)した加工品です。生節は、マヨネーズをかけ、一味を振って、サラダに乗せ、ツナ感覚で食べたりします。また、生節からは美味しい出汁が出ることから、蕗や筍、わらびなど炊いて食べることがあります。しかし、この料理の主役は、生節ではなくなく、生節からでる美味しい出汁、エキスの染み込んだ、野菜が主役になります。

私は、現在の低温火いれの調理法をつかって、叩きのように、藁で表面が薫製された、かつおの叩きを低温で煮ることで、野菜のカツオも美味しく食べれる、「生節風カツオの煮物」を作ってみました

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