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魚卵と子孫繁栄

子孫繁栄を祈願して

魚の目を食べると、目が良くなる。肝臓、レバーをたべると肝臓をよくする。これは、化学や医学、栄養学が未発達な時代に信じられていた考えです。当然、食べものは、栄養素を含み、健康な身体を作るものです。また、古来より、無病息災や開運を願い、食文化が発展していったのも事実です。子を作り子孫を残し、家系が末代まで繁栄していく。これは、自然界においても、当たり前の考え方です。鶏卵と違い、魚の卵は、卵巣と呼ばれる、一腹に沢山の卵がまとまっています。また、魚は哺乳類や鳥類と違い、無数の卵ををもち、一度にたくさんの子が生まれていきます。この身姿や現象が、沢山の子を作り繁栄していくということにつながったと言われています。

御節を食べる理由

御節料理を食べる理由の一つに、新年最初の食事に、「その年一年、良い年でありますように」と願いを込めた料理を食べるというものがあります。その一つが、『子孫繁栄』同時に『安産祈願』も含まれています。

代表的な食べ物には、「いくら」「子持ち昆布」「数の子」「たらこの昆布巻き」「子持ち鮎の甘露煮」などがあります。

他にも、一年を通して魚卵料理を紹介解説したいと思います。

数の子

御節料理の定番「数の子」、関東では醤油色の鼈甲漬けに、関西では、薄口醤油や白醤油につけて数の子の色を生かします。

子持ち昆布

子持ち昆布は、ニシンが昆布に卵を産みつけたものです。数の子同様、醤油につけます。

鱈子昆布巻

真鱈の子を使い昆布で巻き、時間をかけて、やわらく甘辛く炊いていきます。昆布でまくのは、『喜ぶ』にかけたものです。

鯛の子

春に卵をもつ、鯛。鯛の子は、タラコと違う、柔らかいのが特徴です。筍や、わらび、ふきなど、木の芽を添えて出される炊き合わせは、春の贅沢な逸品です。

鱧の子

京都を中心に、関西で馴染みの深いハモ。ハモもまた、卵が美味しい食材です。一度煮たものをゼリーで寄せたり、ごぼうと一緒に炊いた後、卵で閉じて柳川にしたりします。

子持ち鮎

秋になると子をもつ鮎は、「落ち鮎」「名残鮎」と呼ばれます。この時期の鮎は、実を食べると言う感覚よりも卵を楽しむと良いでしょう。ゆっくり長時間かけて炊いていく甘露煮は、骨まで柔らかく保存がきく調理法です。甘さを抑え、焼き目を入れ、炊く鮎の煮浸しを酒の魚としてはぴったりの料理です。

いくら

鮭の子いくら、秋になると産卵を迎える鮭の卵、すじこと呼ばれる、鮭の卵巣、はらをお湯にくぐらせ、塩、または醤油漬けにします。また、いくらより小粒な「マスの子いくら」やヤマメの子を同じく塩つけしし。黄色「金いくら」あるいは「ゴールドいくら」と呼ばれるものもでまわっています。

たらこ

昆布巻きとも違い、たらこの旨煮(含め煮)は、「すけこ」と呼ばれる、すけとう鱈のこです。真鱈のことは違う、大きさも小さく、真鱈の子に比べると臭み画ありません。生姜を聞かせて、鯛の子同様、薄口醤油と酒、味醂で炊き上げます。

唐墨(からすみ)

日本三大珍味「唐墨(カラスミ)」は、ボラの卵巣を加工したもの。日本以外にも、台湾、中国、イタリアにも、良いものがあります。大根と挟んで食べる「唐墨大根」は定番。

キャビア

日本三大珍味に対して、世界三大珍味「キャビア」はチョウザメの卵。前菜などに使われる高級食材です。

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